葬儀に豪華な食事は必要なのかな?

家族や親せきなど身近な人の葬儀では、火葬や告別式などがひと通り終わった後に必ずといっていいほど食事が出されます。それも、質素な精進料理とはほど遠い豪勢な料理です。案内された部屋に入ると、お寿司や天ぷら、唐揚げ、フライ、お酒など溢れんばかりのご馳走と対面することになります。寝屋川の家族葬で行った葬儀でも豪華な料理が振舞われました。

本音を言えば、豪華な料理にありつけるはとても嬉しいことです。1年に何度も味わえる料理ではないので、お腹いっぱい食べたいという欲望が心の中にこみ上げてきます。その一方、故人を弔うための葬儀で、果たしてそのような欲望に流されていいのかという葛藤があります。

葬儀で食事を提供する目的は、空腹を満たすためではなく葬儀の参列者同士の交流を深めるためです。葬儀でもないかぎり、遠く離れた場所に住んでいる親戚同士が一ヶ所に集まることなどそうそうありません。

かりに食事がなかったとすると、ろくに話をすることもなくさよならをすることになります。豪華な食事にも意味はあるのです。これが質素な精進料理だとすると、誰も手を付けることなく帰ってしまう恐れがあります。